経営コラム

介護用ロボットを活用しましょう

2018年11月27日
医療・介護現場における人材不足が深刻化する中、1人1人の介護従事者に課される負担は増大し、高齢労働者の活躍も必要となってきました。介護従事者の負担を軽減し、高齢労働者でも移乗などの力仕事をし易くしてくれるのが、「介護用ロボット」です。
テレビや雑誌などのメディアで取り上げられることの多い「介護用ロボット」ですが、実際に導入している事業所は少ないのが現状です。
今回は、実際に商品化されている「介護用ロボット」を3つご紹介します。
 
HAL腰タイプ介護支援用
移乗や体位変換介助による腰への負担軽減を目的とした装着型の介護用ロボットです。介護者の「生体電位信号」を読み取り、自動的に作業をアシストしてくれるため、特別な操作方法を覚える必要はありません。防水機能があり、入浴介助にも利用できます。販売価格は初期導入費用含め2,108,000円(税込)、保守費用が月額21,600円(税込)となっています。レンタルも可能であり、レンタル料金は契約期間と台数により異なるようです。
 
CYBERDYNE株式会社:https://www.cyberdyne.jp/
 
i-PAL
被介護者を車椅子やベッドからトイレへ移乗する介助を簡易にするための介護用ロボットです。小型化されており、家の中でも使用できるほどのサイズです。従来の同機能製品では、被介護者の身体を持ち上げるためのスリングシート(吊り具)が必要でしたが、i-PALではスリングシートが不要な設計となっており、スピーディーな移乗介護が可能となっています。販売価格は550,000円(非課税)となっています。
 
株式会社今仙技術研究所:https://www.imasengiken.co.jp/
 
ReWalk
脊髄を損傷し、車椅子による生活を余儀なくされている方の自立歩行をアシストするのが、ReWalkです。介護者の負担軽減がこの製品の目的ではありませんが、脊髄損傷者の「もう一度歩きたい」という希望を叶え、自立的な生活を促進できる可能性を秘めた製品です。被介護者の自立的な生活は、介護者の負担軽減にも繋がります。この製品の利用には、最低20時間のトレーニングが必要となり、トレーニング費用も負担する必要があります。価格は販売店により異なるため、公表されていません。個人が購入することも可能で、病院向けにはリースも行っているようです。
 
安川電機:https://www.yaskawa.co.jp/
 
 
いかがでしたでしょうか。今後、2025年に向け、介護・医療業界の人材不足はますます進行します。人員が不足する中で、これまでと同等、またはそれ以上の業務をこなしていくためには、生産性の向上は必須であると言えます。その策の1つとなるのが、介護用ロボットの活用です。
介護用ロボットの活用は今後、プラスアルファ的要素ではなく、「導入していて当たり前」となっていくでしょう。時代の流れに乗り遅れないためには、他より1歩早く導入を試みる勇気が必要です。
介護用ロボットの導入が求職者に向けたPRになる可能性もあります。介護者の負担軽減に力を入れていることを「介護用ロボットを導入している」という分かり易いメッセージでアピールすることができます。肉体的な衰えを感じている高齢の求職者に対しても、「介護用ロボットを導入している事業所なら大丈夫かも」と、敷居を低く感じてもらえるかもしれません。
また、「介護用ロボットを導入している」というメッセージは、潜在的な利用者に対しても、「資金の余裕があり、人材管理がしっかりできている事業所」というポジティブなイメージを与えることが期待できます。
 
決して安くないコストであり、導入には慎重にならざるを得ませんが、メリットを冷静に考慮され、コストよりメリットが上回る見込みがあれば、是非他の事業所より1歩早い導入の試みを行ってみてください。